今日は日常のサイエンスと題して、身の回りで気付く理科分野のアプローチについて、お話します。
具体例として、力学(テコや滑車、秤)について取り上げます。
身の回りで、滑車が使われているものはすぐ見つかりますか?
分かりやすい事例としては、エレベーターがあります。
エレベーターは一般的に「つるべ式」と呼ばれる方式が多く採用されています。
「カゴ」と呼ばれる人が乗る部分と「つり合い重り」がワイヤーロープによって、
「つるべ式」につながっており、巻上モーターの回転速度を制御して、かごを昇降させる方式です。
なぜ、この方法を採用しているか。
なぜ、巻き上げモーターで籠を巻き上げる方法ではだめなのか。
すぐに分かりますか?
ここで理科の滑車の考え方を持ち込むと、ヒントが見えてきます。
たとえば、直接巻き上げるとすると、カゴの重さ(=仮に500Kgとします)が、モーターにかかってきます。
そのため大きな巻き上げ力を持った大きなモーターが必要になります。
しかし、つるべ式であれば、滑車の両端で重さを分散するので、
カゴ側のロープにかかる重さ(250kg)と釣り合い、重りにかかる重さ(250kg)
という具合に重さを半減させる事ができます。
そのため、巻き上げモーターを直接巻き上げる方式に比べると、小さくすることができます。
こういった理科の原理を活かしたアイデアが、身の回りの設備や道具、工業製品に
ふんだんに使われています。
ぜひ、理科分野の学習の際は、学んだ知識(原理や法則)が、身の回りでどのように使われているかを、探してみたり、調べてみたりして、納得する。という体験を数多くこなすと、
近年流行のアクティブラーニングへの学習に対処しやすくなります。
#中学受験 #理科