併願校
併願校
関西の場合、首都圏とは少し事情が異なります。
首都圏に比べ、同じ学校の複数回受験はかなり少なく、近い偏差値で選べる学校もそんなに多くないため、同じレベルでの学校も限定されます。
また、多くの学校で入試日が重なってしまうため、偏差値で選んでいくと、家から遠い学校を選択せざるを得なくなり、併願校選びも大変です。
平均して、3校~6校ぐらいを併願される人が多いですが、必ずどこかの学校に合格させたいという思いから、前受験や関東受験を合わせて、8校ほど受験する人も出てきます。
また、本命校を男子校、女子校と決めていても、併願校は共学も含める場合が多くなります。
併願校を選ぶ前に
どんな学校を併願校として選ぶべきか迷っている人は多いと思います。
学校選びには、学校評判や自分にあった偏差値レベルで選ぶのはもちろんですが、試験の傾向が似ている学校を選ぶというのも併願校選びに重要なポイントとなります。
最近では、試験の傾向を少しずつ変えてきている学校も出てきていますが、まだまだ同じ傾向の問題を出す学校の方が多く、過去問などで傾向を調べる必要があります。
しかし、本命校を入れて大体3校~多くて8校受験した場合、試験の傾向が全てバラバラだと過去問への対応のための勉強量はかなり多くなります。
仮に試験ギリギリになっても解き切れない問題があった場合、焦りが起こり悪循環になりますので、なるべく傾向が似ている学校を選ぶことが重要です。
ただし、違う傾向の学校の過去問に取り組んででも受けてみたい学校がある場合は、挑戦することも一つの手だと言えるでしょう。
その場合は、お子さんの学習状況を考慮しながら進めてください。
そして、意外と見落としてしまう、試験日の行動ルートを考慮して選ぶことも重要なポイントになります。
日程に空きがあるからと、むやみに併願校を設定してしまうと、移動時の子どもへの負担も大きくなりますので注意しましょう。
まず、無理なく当日現地に行ける距離かどうか、時間的に余裕をもって行けるかどうかなど、受験日と試験時間、学校通学ルートを十分に把握したうえで併願校選びをしましょう。
そのためには、入試前に必ず1度は学校を訪れ、乗り継ぎ時間も考慮した時間配分をしっかり把握しておく必要があります。
場合によっては、受験校近くのホテルへ入試前日から宿泊し、交通機関の遅延の影響を受けないように対策することも必要となります。
また、最難関校を目指す人は、併願校がかなり限られてきますので、狭い選択肢の中で選ばなくてはなりません。
塾に通っている人は、ある程度、併願校の相談やおすすめパターンを教えてもらえたり、塾によっては、当日の朝、塾に一度集まって学校に向かうなどしてもらえるため、安心してしまう人もいますが、同じ日に2校受験する人は、そのまま2校目の午後受験に向かう場合がほとんどです。
また、学校によっては、試験会場と、合格発表、銀行の振込みや入学手続きの日が重なってしまう場合もあります。
直接、学校に合格発表を確認に行く場合も、とても短い時間のみ掲示という場合や、webのみ合否がわかる場合、郵送で合否通知書類が届く場合などもあります。
最近は携帯・スマホからweb上で合否の確認ができる学校も増えてきたとはいえ、まだまだインターネットの操作が苦手という方もいるようです。事前に確認の方法をしっかりマスターしておきましょう。
特に気を付けたいのは、携帯画面が小さいため、コース間違いや番号の見間違いのないようにすることです。
確認は特に慎重に行いましょう。
また、郵送は書留で届くため、不在だと受け取ることができなくなり、郵便局へ持ち帰りとなると合否の確認が2・3時間遅れてしまうことになります。そればかりか、合否の確認が場合によっては、お金の支払いに影響してきます。
つまり、本命校の合格発表日と合格した併願校の入学金納付期日が重なってしまう場合、本命校の合否がわからないまま、入学金納付の判断をしなくてはならなくなるということです。
できれば、無駄がでないように効率良く行動できるようにしたいものです。
このような状況から、併願校によっては、必ずしも家族みんなが同じ場所にいられないこともあるため、親戚などに応援を頼むなどして、家族連携で取り組まなくてはならなくなります。
当日慌てて失敗のないよう、後で悔いの残らないよう、あらかじめ家族でしっかり計画を立ててから、慎重に併願校選びをしましょう。
併願校の選び方
大体、夏休みが終わった9月頃から成績なども考慮しながら本格的に併願校を決め始めます。
最終的には、10月末の調査書をお願いする時期までに決定してしておきましょう。
関西の併願校の選び方は、首都圏と比較して数が少ない故にパターン化されていると言えます。
まず男子最難関校の灘中学校・甲陽学院中学校が2日間に渡って、試験が実施されます。
その他の男子難関校も初日がほとんど同じ日程になるため、併願先が限定されてしまいます。
また、女子最難関校の神戸女学院も2日間実施されます。同様に併願先が限られてきます。
男子も女子もパターンがほぼ決まっているので、学校の立地、通学時間等を考慮し受験校を限られた学校の中から選ぶ形になります。
どんなパターンがある?
大体どんな併願パターンがあるのか、一部の学校での一例を簡単にまとめてみました。
お住いの地域によって、通学できる範囲(1時間半以内が目安)もありますので、選ぶ学校も絞られてくると思います。
年度によって入試日の変更、受験回数や午後入試への変更などがありますが、偏差値レベルが近いパターンで選ぶ場合が多いようです。
※下記はほんの一例です。下記にない学校も選択できる学校はありますので、あくまでも参考までに。(HP掲載校のみ)
男子校パターン例1
(前受け) 愛光 or 北嶺 & 函館ラサール
(1日目) 灘・甲陽学院
(2日目) 灘・甲陽学院
午後:西大和学園・須磨学園・高槻
(3日目) 東大寺学園・洛南高等学校附属
午後:帝塚山
(4日目) 六甲学院・清風南海・東山・開明
(5日目)
(6日目) 洛星
・
・
関東受験
男子校パターン例2
(前受け) 北嶺
(1日目) 大阪星光学院・洛星・六甲学院・高槻・立命館・明星・須磨学園・帝塚山・雲雀丘学園
午後:帝塚山・明星・雲雀丘学園・
(2日目) 清風南海・立命館・明星・須磨学園・帝塚山・雲雀丘学園・開明
午後:西大和学園・高槻・須磨学園・開明・三田学園
(3日目) 東大寺学園・洛南高等学校附属・神戸大学附属中等教育学校・清風・同志社香里
午後:帝塚山・清風
(4日目) 清風南海・六甲学院・開明・東山・三田学園
(5日目)
(6日目) 洛星後期
(7日目)
(8日目)大阪教育大附属池田
男子校パターン例3
(前受け) 岡山白陵
(1日目) 開明・三田学園・清風・東山・滝川・関西学院・啓明・大阪教育大附属天王寺・同志社香里・同志社
午後:清風・明星・大阪桐蔭・滝川・甲南・常翔学園・滝川第二・報徳学園
(2日目) 開明・東山
午後:大阪桐蔭・甲南・常翔学園・開明・三田学園・滝川・滝川第二
(3日目) 清風・同志社香里・啓明・滝川
午後:常翔学園・大阪桐蔭・清風
(4日目)開明 ・東山・関西学院・三田学園
午後:大阪桐蔭・甲南
(5日目)
午後:滝川第二
(6日目)
(7日目)
(8日目)大阪教育大附属池田・滝川
女子校パターン例1
(前受け) 岡山白陵 & 愛光
(1日目) 四天王寺・須磨学園・高槻・立命館・帝塚山・神戸海星・雲雀丘学園
午後:帝塚山・雲雀丘学園
(2日目) 清風南海・須磨学園・立命館神戸海星・帝塚山・清風南海・雲雀丘学園
午後:西大和学園・須磨学園・高槻
(3日目) 洛南高等学校附属・帝塚山
午後:神戸大学附属中等教育学校
(4日目) 清風南海
女子校パターン例2
(前受け) 岡山白陵
(1日目) 神戸女学院・雲雀丘学園・京都女子・同志社女子・同志社香里
午後:帝塚山・雲雀丘学園
(2日目) 清風南海・須磨学園・神戸海星・京都女子
午後:西大和学園・須磨学園・高槻
(3日目) 神戸女学院・京都女子・同志社香里
午後:神戸大学附属中等教育学校
(4日目) 清風南海・開明・関西学院
午後:親和・大阪桐蔭
(5日目) 甲南女子
(6日目)
(7日目)
(8日目)大阪教育大附属池田
2024年11月更新
女子校パターン例3
(前受け) 岡山白陵
(1日目) 開明・帝塚山学院・甲南女子・三田学園・関西学院・同志社・啓明・ノートルダム女学院・常翔学園・金蘭千里・大阪教育大附属天王寺・武庫川女子大学附属・大谷
午後:ノートルダム女学院・親和・大阪桐蔭・金蘭千里・帝塚山学院・武庫川女子大学附属・大谷
(2日目) 開明・三田学園・甲南女子・ノートルダム女学院・親和・金蘭千里・帝塚山学院・大谷
午後: 開明・親和・大阪桐蔭・武庫川女子大学附属
(3日目) 武庫川女子大学附属・大谷
午後:大阪桐蔭・ノートルダム女学院
(4日目) 開明・関西学院・三田学園
午後:親和・大阪桐蔭
(5日目) 甲南女子
最難関中学校以外の学校も、多くの学校で入試日が重なりますが、最近では午後日程、後期日程等を増やす学校も出てきたことで、同レベルの受験校選びが柔軟になり、以前よりは安全校も選択しやすくなったといえるでしょう。
そのため、統一日に実力相応校、安全校、2日目・3日目にチャレンジ校の受験も十分あり得るでしょう。
ただし、数日間にわたり毎日試験を受け続けるということが、どれだけ体力を消耗することかも考えなくてはなりません。例えば、モチベーション維持のために、あらかじめ受験校をチャレンジ校、実力相応校、安全校といった重みを付け子どもに伝えておくことで集中力にメリハリを付けやすくなります。
また、何が何でも片っ端から空き日を埋める併願校選びをする人もいますが、場合によっては、受験を最後までやり抜くための体力温存のため、志望校を見極め、数校だけに絞り、集中させて本命受験に臨ませるということも視野に入れて併願校選びを心がけることも必要でしょう。
それぞれ、お子さんのレベル、そのご家庭での受験に対する考え方で決まってきますので一概には言えませんが、何れにしても、併願校は『合格すれば入学しても良い』と思える学校選びが大切だといえるでしょう。